第八話 ワロス再登場という知ってる人はしってる展開。というか、完全に焼き直し。オリジナル？っていうか新しい展開は、海水浴編が終わってからになりますよー、な海編の第三回目。

MR-08「かーいすーいよーく?後編」
「決めてやる……本当に必要なのは、まじれすではなく!!このぶらばんだと!!」

　そう叫びながら打ち込んできたサーブは高い位置から一直線に打ち込まれたスピードボール。その風切り音にふっと我に返る。

「ど、どういうこと!?」
「貴様にはわからないだろう!!　生まれ、目覚めた瞬間に『……はぁ……』なんてため息つかれる気持ちは!!」

　そんな言い合いの最中も激しいボールの応酬は続いている。
とりさん先輩は目を回してテントの中。そして博士が役に立つはずもなく。
つまりは、一騎打ち。この試合はまさに、同じ姿を持つ二人の一騎打ちとなっていた。

「まじれす、やはり……力はほぼ互角のようだな」
「そうかもね……でも、多少だけど、ボクのほうが自給力は上みたいだよ」
「……気づいていたか……ならば!!　まじれすぶれすれっと!!」

　そういってぶらばんが取り出したのは金色のブレスレット。

「あ、アイテムは卑怯じゃ!!」
「ルールブックにはアイテム使用禁止とは書いてない!!」
「博士の作ったザルのコピー本にそんな記載があるわけないだろ!!」
「二代目は早めにパワーアップするのが王道なのだ!!」

　どこのヒーロー番組の二人目だよ!?

「そんな二代目はでっぷり太ってハリケーンで狙い撃ちされてしまえ!!」
「ふっ、負け惜しみか、食らえ!!　売虎アタックッ!!」

　ってさっきまでのスパイクと変わらない……これならっ

「なんのっ、お返し!!」
「売虎ディフェンダー!!」
「盾ぇ!?」

　ぶらばんが叫んだ瞬間に

「これが私に与えられた万能武器、まじれすブレスレットだ!!」
「ねぇ、どこなの!?　ツッコミをどこに入れればいいの!?」
「ルールブッ」
「もーえーちゅうねん!!」
「ふっふっふ……止めだ!!食らえ!!」
「よし、審判!!　タイム!!」

そして、ボクは取り出した。さっき博士にもらったこの鉄の腕の取扱説明書を!!
まず表紙にはこう書いてあった。
(対象年齢15歳以上)
よし、勘で何とかしよう!!
それでもとりあえず目を通し、一つだけ操作をした。

「音声入力機能オン!!」
『ぶるぁぁぁぁぁ!!!!音ん声入力機能おぉぉぉぉぉんんん!!!』
「……」
『これで筆者も書きやすくなったはずだ……うぅん、どうした、まぁじかるれっすゎぁーよおぉぉ』
「……黙れ」
『まぁ、わかっていると思うが、このモードはおぬしの声紋を登録し、音声によって命じられたことを』
「……『黙れ』」
『……それは命令か？』
「いえす。　質問するからそれに対する答えだけを許可する」
『うむ、了解した』
「まず一つ」





「お前誰だ」






















『ただの腕だが？』
「うん、今の20行に渡る無言の間はなんだろうな、CV若本？」

　まぁ、あの博士だし、予想の範囲内といえば範囲内……

『知らぬ、私はたぁだぁの腕なぁのだぁぁぁぁぁぁ』
「この変態杖が」
『……で、機能の説明なのだが』

　流しやがったなトン畜生。

『お前の声によってコマンドが入力される。具体的な命令でなくとも、脳波を読み取るのでこの腕の限界まではイメージどおりに動くはずだ』
「で、ワロスがここにいる意味は？」
『精神的補助だ』
「……つまり、いなくても機能には問題ないわけね」
『まじかるれっさー、貴様まさかひじの部分にある私の意識が宿るチップを抜くつもりでは』
「説明ありがとう、肘だね」
『ちょ、おま―――』

　ブチン。さぁ、まじれす振りかぶって第一球!!

「うーみの、かなたまーで、飛んでけー!!」

　おー、飛んだ飛んだー!!　20Kmくらい飛んだかなー？

「さてと、『伸びろ』」

ゆっくりと伸びる腕をイメージしながら腕に向って言ってみる。
すると、腕の中でシリンダーが滑らかに動くのが見え、ゆっくりと腕が伸びて……伸びて……






　これすでに50mくらい伸びてない？
ま、まぁとりあえず他に機能は……

「水鉄砲!」

　おお、出た!!なんでもできそうな気がするな。だけど、マニュアルとかを読んでいる暇はない。どうしたものかな……